• 6. 天然林択伐施業における選木技術に関する研究
  •  天然林択伐施業では,収穫木の選定は非常に重要な作業の一つである。収穫木の選定では,収穫した樹木から経済的な収入を得ることに加え,収穫を行った林分において収穫後の林分材積や林分の価値成長が増大するよう配慮する必要がある。また,収穫木を選定する際,樹高や直径といった定量的な情報だけでなく,立木の材質や形質に関する情報,立木配置や他木との競争関係,林内全体を見渡したときに考慮するべき情報,といった様々な情報も必要となるため,誰もが同じように収穫木の選定を行えるわけではない。そこで,収穫木の選定に関わる基準とその指標,特に外観から判定される指標(外観指標)を取り上げ,立木の外観指標や選木者の選木経験が天然林択伐施業の選木意思決定に及ぼす影響について検討した。

  •  1. 立木の外観指標や選木者の選木経験が天然林択伐施業の選木意思決定に及ぼす影響:選木者が収穫調査に関わった経験年数と選木との間に関連性が見られること,収穫木として選定した立木では,腐れなどの材質の欠陥に関わる外観指標が多く見られたこと,選木者は立木の外観指標を見誤るより見落としする傾向が明らかとなった。
  •  2. 決定木を用いた選木規則の抽出:機械学習を用いて選木結果に影響すると思われる重要な属性の機械的な抽出,収穫木の選定およびその選木規則の抽出を試みた。その結果,機械学習を用いると人間が解析すると見落としがちな出現回数が少ない外観指標であっても規則を作る上で重要な属性であれば機械的に抽出することができ,さらに抽出した属性を用いて収穫木を分類することが可能であるといった成果を得ることができた。
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  •  3. ベイジアンネットワークを用いた立木外観指標間の関連性解析
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  • 7. 森林内の音場環境(サウンドスケープ)に関する研究